たしかに日本人はお餅でお正月を祝うといった古くからの伝統を守って暮らしています。しかし、一口にお餅といっても、地方によってそれぞれ違った食べ方があります。今日、私たちは四季を通じてお餅が食べられるようになりました。それに伴い、従来の食べ方だけでなく、新しいお餅の食べ方がプラスされ、いっそうお正月だけのものでなくなりつつあります。ここではお餅の上手な調理法や注意点などをご紹介しましょう。
お餅といえば、まず最初に思い浮かぶのが焼くという方法ではないでしょうか。北風の吹く寒い冬の日、暖かいひばちを囲んでお餅を焼くという姿は残念なことに見られなくなってしまいました。しかし焼き立てのお餅に、しょう油をぬって、のりで巻いて食べるいそべ焼のあの香ばしさは、時代と世代を超えて最も普遍的であり、第1等の好評料理といえましょう。オーブントースターやフライパンで程よい焼き色に仕上げるのがポイントです。
煮るには、鍋物に入れたり、汁ものに入れたりするのが主な方法です。煮汁は、和風ばかりでなく、洋風、中華風に変化させるのもよいでしょう。
また、こってりとした風味のホワイトソース、カレー味ソース、コンソメあるいはポタージュスープなどにもお餅は合い、いっそう味をひきたたせてくれます。お餅を洋風や中華風に活用するということは、格式を重んじた伝統雑煮では考えられないことでしたが、これからはお餅を使ったいろいろなお料理を考えてみてはいかがでしょうか。
電子レンジを使えばアッという間に調理できます。お餅が皿にくっつかないよう、あらかじめお餅を水でぬらすか、お皿に水をたらして下さい。きな粉を敷いてその上にお餅をのせるのもグッドアイデアです。ラップをしないで1枚約40秒、2枚で1分少々です。温かいお湯(汁、スープ)にお餅を入れて1〜3分という方法もあります。
温めたフライパンに、水に濡らしたお餅と大さじ1杯ほどのお湯を入れ、フタをし加熱します。30秒くらいで火を止め余熱で蒸しあげると、やわらかいお餅に戻すことができます。 (火加減、水加減はお餅の大きさや量によって調整してください)